令和2年(第70回)税理士試験の合格発表から、令和3年(第71回)税理士試験までの記録です。
令和3年(2021年)1月:3科目受験の決意
財務諸表論が不合格だったので、財表・消費税・相続税の3科目受験に決めました。
消費税の方が理論の題数が少ないので、①財表、②消費税、③相続税の優先順位で勉強を進めます。
財表の理論をまず固め、その後、消費税と相続税の理論を同時並行で覚えていきます。
理論の題数が昨年よりも増えるので、今のうちから覚えて間に合うかどうか。。。
講座は取らずに、外販の問題集で勉強を進めていきます。
令和3年(2021年)2月:消費税の計算問題に慣れ始める
消費税の計算問題が徐々に解けるようになってきました。
所得税法と比べると、範囲も少なく、パターンも決まっています。しかし、問題文の文字数が断トツに多いので、読み飛ばしや読み間違いをなくすことが課題でした。
令和3年(2021年)3月:人生2度目の転職
勤めている税理士法人のワンマン経営に限界を感じ、資産税専門の税理士法人に転職することにしました。
コロナもだいぶ落ち着いてきていたので、転職界隈もそこそこ復活していたようです。
以前お世話になった転職エージェントに再度登録して聞いてみたところ、2科目に合格しているので、おそらく問題ないとのこと。
前回の転職で履歴書と職務経歴書を書いていたので、書類はすぐに作成できました。
相続税を勉強していることをプッシュしてもらい、面接もとんとん拍子で進み、数日で内定が出ました。
転職エージェントに再度登録してから3週間もかかりませんでした。
科目合格だけでここまで違うとは。
後から面接官の方に聞きましたが、所得税に受かっていることがかなりプラスに働いたようです。
令和3年(2021年)4月:退職準備
退職は5月末に決定しましたが、確定申告期限がコロナで延長になったため、全体的なスケジュールが後ろ倒しになり、意外と引継ぎに時間がかかっていました。
法人の決算もコロナ延長が認められていたので、かなりイレギュラーな対応を求められました。
令和3年(2021年)5月:緊急事態宣言
3度目の緊急事態宣言が発令されました。昨年同様、出かけられない連休です。
税理士受験生にとっては、まとまった勉強時間が取れる最後のチャンスなので、出かけている場合ではありませんでしたが。
令和3年(2021年)6月:消費税と相続税の時間配分
改めて、消費税と相続税について時間配分をきちんと決めておきます。
消費税の計算問題は、第一問が総合問題、第二問が個別問題となることが多いので、その想定で時間配分を決めました。
<消費税>
1.理論第一問:20分(25分経過したら、第二問へ)
2.理論第二問:20分(25分経過したら、計算へ)
3.計算第一問:45分(50分経過したら、第二問へ)
4.計算第二問:10分(15分経過したら、残り時間で、できる問題だけ解答)
<相続税>
1.理論第一問:20分(25分経過したら、第二問へ)
2.理論第二問:20分(25分経過したら、計算へ)
3.計算:60分(65分経過したら、残り時間で、できる問題だけ解答)
財表は、計算・理論ともにほぼ仕上がってきたので、試験まで気を抜かないようにします。
消費税・相続税は計算はだいぶできるようになっていましたが、理論暗記が追いつきません。
仕事では、今月から新しい事務所にお世話になっています。
相続税の申告はあまり経験がないので、覚えることがたくさんあって大変でした。試験が終わってから転職した方がよかったかもしれない・・・
令和3年(2021年)7月:理論を絞る
試験に持っていけそうな理論は、財表を除いて80題くらいでした。(下の表)
- 財表:ほぼ全て
- 消費税:Aランク全てとBランク8割
- 相続税:Aランクほぼ全てとBランク半分
これでも消費税・相続税の7割くらい覚えたので、かなりの量でした。特に相続税の理論は、1題あたりの文字数が多いので、Aランクを覚えるだけでも数か月かかりました。
当初はAランクとBランクを全てカバーし、100題くらいになる予定でしたが、なかなかうまくいきません。
令和3年(2021年)8月17日:第71回税理士試験
今回の3科目は、朝早い時間がないので気が楽でした。また、昨年同様コロナの影響で、サーモグラフィによる体温測定が行われ、マスク着用での試験となりました。
財務諸表論
素読み
理論第一問
穴埋めと記号は難しくなさそう。記述も引当金と減損なので、書ける。
→20分
理論第二問
穴埋めと記号は何とかなりそう。記述は、為替予約がやや難しいが、計算の知識で作文する。
→20分
計算
株主資本等変動計算書と注記があるので、いつもより時間をかけた方が良いかもしれない。
→75分
予定通り計算から始めます。
・計算
頭から順番に解いていきます。
外貨建債券と減損、退職給付は時間がかかりそうなので、いったん飛ばす。株式交換は時価取得で処理。
土地売却時の手数料は、どうすればよいか分からないので、売却益と相殺する。
株主資本等変動計算書と注記まで解答して、53分経過。
飛ばした問題のうち、退職給付と減損を終わらせ、外貨建債券の計算にとりかかったところで70分経過してしまったので、理論へ。
・理論第一問
問4(2)が分からなかったが、他は記述を含めて問題なく解答。
88分経過
・理論第二問
問1(4)と問2(3)を飛ばし、他をある程度解答したところで残り10分のアナウンス。
飛ばしたところを作文で解答し、タイムアップ。
おそらく、受かっているかな。
消費税法
答案用紙の枚数が多い。
計算問1で準ずる割合の印字がありました。理論の内容は覚えていますが、計算問題はほぼ解いたことがないため、どういう方針で解答するか悩みます。
計算問2は「消費税額の調整」と印字されているので、著しい変動・転用・居住用賃貸建物が考えられますが、改正論点である居住用賃貸建物の可能性が高そうです。
素読み
<理論>
問1
(1)著しい変動→15分
(2)法人の提出期限の特例→7分
(3)電子情報処理組織による申告の特例→7分
問2
(1)特定役務の提供→5分。解答が浮かばないので、時間なければ飛ばす。
(2)社会福祉事業として行われる資産の譲渡等(生産活動に係るもの)→5分
(3)国外取引の個別対応方式の取り扱い→5分
(4)簡易課税の区分→5分。区分知らないので、時間なければ飛ばす。
<計算>
問1
・準ずる割合
・軽減税率
・個人事業主
→準ずる割合が未知のため、時間がかかりそう。60分くらい?
問2
居住用賃貸建物の計算問題→15分。
計算問1の準ずる割合がどのくらいかかるか不明なため、予定変更で、計算から解き始めることにしました。
・計算問2
問1に時間がかかるため、先にこちらから解答。
3つの建物の調整計算。
建物Aは、按分があるため、後回し。判定と期だけ解答。
建物Bは、オーソドックスな問題のため、特に難しくはない。
建物Cは、転用があることに気づき、何とか解答できた。
15分経過したため、問1へ
・計算問1
納税義務の判定が思ったよりややこしく、10分弱使ってしまう。
課税標準額の答案用紙が丸々1枚あるので、ここで酒類と不動産に分けて記載しないと、準ずる割合は収集がつかなくなりそう。
課税仕入はいつも通り、仮計算表を作成します。
取引はひとつひとつが細かいので、気を抜くと対応関係(課・非・共通)がすぐ分からなくなります。
最後までたどり着いたところで時計を見ると70分経過していました。
間に合わないかも。
当初の時間配分ではこの時点で理論にいく予定でしたが、あと10分だけ延長して課税仕入の区分だけ書き写すことにしました。
・理論問1
(1)ベタ書き。
(2)ベタ書き。
ここで残り10分
(3)ベタ書き
・理論問2
(2)正に〇をつけて、非課税にならない旨を作文。
(3)誤に〇をつけて、課のみになる旨を作文。
(1)と(4)は残り1分を切っていたため、誤に〇をつけるだけで解答欄は白紙になってしまいました。
計算はそこそこ出来ましたが、理論問2が時間がなく作文になってしまいました。
順番間違えたかな。
相続税法
素読み
<理論>
問1 納税義務者の事例問題→30分
問2 持分の定めのない法人→どの理論を書けばよいか分からず。
<計算>
かなり分量が多い→70分以上か
・理論問1
住所の意義は書けなかったが、納税義務者について、ベタ書きをして、事例にあてはめる。
問2は時間がかからない(何を書けばよいか分からない)ので、用語の意義まで書きました。
35分経過
・理論問2
適当に作文
40分経過
・計算
子供が養子しかいない親族図は初めて見たかもしれない。
基礎控除と法定相続分、2割加算、未成年者控除、障害者控除を解答してから、最初に戻る。
宅地は、配偶者居住権や旗竿地、区分地上権など、かなり難易度が高い。
一方、非上場株はそこまで難しくないので、できるところは間違えないように何度も確認する。
それにしても、こんなにボリュームの多い問題は、解いたことがないです。
相続税額の計算表を埋めている途中で、残り10分のアナウンス。
贈与税額控除と配偶者の税額軽減を書き終えて、残り26秒。ギリギリ終わった。
計算は最後まで解けましたが、理論問2が数行の作文のため、合格は厳しいでしょう。