税理士試験受験記録⑭ 6回目(財務諸表論、消費税法、相続税法)

税理士試験

令和2年(第70回)税理士試験の合格発表から、令和3年(第71回)税理士試験までの記録です。

令和3年(2021年)1月:3科目受験の決意

財務諸表論が不合格でした。
だから、次は迷わず財表・消費税・相続税の3科目に決めました。

優先順位も最初に固定します。

  1. 財表
  2. 消費税
  3. 相続税

消費税は相続税より理論の題数が少ない。
まず財表の理論を固めて、その後に消費税と相続税の理論を並走させる――そういう設計です。

理論の題数が昨年よりも増えるので、今のうちから覚えて間に合うかどうか…

講座は取らず、外販の問題集で進めることにしました。
(ここで下手に広げると、また散る。そう分かっていました。)

令和3年(2021年)2月:消費税の計算が「読める」ようになる

消費税の計算が、ようやく回り始めました。
所得税と比べると範囲がコンパクトで、型がある。だから慣れることですぐに伸びる。

ただし消費税には、別の厄介さがある。

問題文が、とにかく長い。

読み飛ばし・読み間違いを潰せるかどうか。ここが勝負だと思いました。

令和3年(2021年)3月:人生2度目の転職

ここで生活が動きます。
勤めていた税理士法人のワンマン体制に限界を感じ、資産税専門の税理士法人へ転職することにしました。

コロナが落ち着き始めていたこともあり、転職市場も少し戻っていたようです。
以前お世話になったエージェントに再登録して相談すると、

「2科目合格しているなら、おそらく大丈夫」

と言われて、実際に面接も内定も驚くほど早く進みました。
再登録から内定まで、3週間もかからなかった。

科目合格の威力

ここまで露骨に違うんだ、と実感します。

面接担当の方に後から聞いた話では、所得税合格が特に評価されたようでした。

令和3年(2021年)4月:退職準備

退職は5月末に決めたものの、コロナで確定申告期限が延長され、全体スケジュールが後ろ倒し。
引継ぎが意外と長引きます。

法人決算も、コロナ延長のイレギュラー対応が多く、仕事の負荷がじわじわ効いてきました。

令和3年(2021年)5月:緊急事態宣言

3度目の緊急事態宣言。
昨年と同じく「出かけられないGW」になりました。

受験生としては、まとまった時間を取りやすい最後のチャンス。
出かけている場合ではありませんでした。

令和3年(2021年)6月:消費税と相続税の時間配分

改めて、消費税と相続税について時間配分をきちんと決めておきます
消費税の計算問題は、第一問が総合問題、第二問が個別問題となることが多いので、その想定で時間配分を決めました。

<消費税>
1.理論第一問:20分(25分で強制終了→第二問へ)
2.理論第二問:20分(25分で強制終了→計算へ)
3.計算第一問:45分(50分で強制終了→第二問へ)
4.計算第二問:10分(15分で強制終了→残りで拾えるだけ拾う)

<相続税>
1.理論第一問:20分(25で強制終了→第二問へ)
2.理論第二問:20分(25で強制終了→計算へ)
3.計算:60分(65分で強制終了→残りで拾えるだけ拾う)

財表は、計算・理論ともにだいぶ仕上がっていました。
試験まで気を抜かないようにします。

一方で、消費税と相続税は計算は形になってきたものの、理論暗記が追いつかない。

しかもこの月から新しい職場。
相続税申告の実務は経験が少なく、覚えることが一気に増えます。
「試験後に転職した方がよかったかも」と思ったのも正直なところでした。

令和3年(2021年)7月:理論を絞る

現実的に、試験へ持っていける理論は 約80題

  • 財表:ほぼ全部
  • 消費税:Aランク全部+Bランク8割
  • 相続税:Aランクほぼ全部+Bランク半分

当初はA・Bを全部カバーして100題くらいの予定でしたが、うまくいきませんでした。
特に相続税は、1題あたりの文字数が多い。Aランクを覚えるだけでも数か月かかります。

令和3年(2021年)8月17日:第71回税理士試験

今回は朝イチ科目がなく、精神的には少し楽でした。
昨年と同じく、体温測定とマスク着用の試験。

財務諸表論

素読み

理論第一問
穴埋めと記号は難しくなさそう。記述も引当金と減損なので、書ける。
→20分

理論第二問
穴埋めと記号は何とかなりそう。記述は、為替予約がやや難しいが、計算の知識で作文する。
→20分

計算
株主資本等変動計算書と注記があるので、いつもより時間をかけた方が良いかもしれない。
→75分

予定通り計算から始めます。

・計算
頭から順番に解いていきます。
外貨建債券と減損、退職給付は時間がかかりそうなので、いったん飛ばす。株式交換は時価取得で処理。
土地売却時の手数料は、どうすればよいか分からないので、売却益と相殺する。
株主資本等変動計算書と注記まで解答して、53分経過

飛ばした問題のうち、退職給付と減損を終わらせ、外貨建債券の計算にとりかかったところで70分経過してしまったので、理論へ。

・理論第一問
問4(2)が分からなかったが、他は記述を含めて問題なく解答。

88分経過

・理論第二問
問1(4)と問2(3)を飛ばし、他をある程度解答したところで残り10分のアナウンス。

飛ばしたところを作文で解答し、タイムアップ。

おそらく、受かっているかな

消費税法

答案用紙の枚数が多く、最初から嫌な予感。
計算問1で準ずる割合の印字がありました。理論の内容は覚えていますが、計算問題はほとんど解いたことがないため、どういう方針で解答するか悩みます。

計算問2は「消費税額の調整」と印字されているので、著しい変動・転用・居住用賃貸建物が考えられますが、改正論点である居住用賃貸建物の可能性が高そうです。

素読み

<理論>
問1
(1)著しい変動→15分
(2)法人の提出期限の特例→7分
(3)電子情報処理組織による申告の特例→7分

問2
(1)特定役務の提供→5分。解答が浮かばないので、時間なければ飛ばす。
(2)社会福祉事業として行われる資産の譲渡等(生産活動に係るもの)→5分
(3)国外取引の個別対応方式の取り扱い→5分
(4)簡易課税の区分→5分。区分知らないので、時間なければ飛ばす。

<計算>
問1
・準ずる割合
・軽減税率
・個人事業主
→準ずる割合が未知のため、時間がかかりそう。60分くらい?

問2
居住用賃貸建物の計算問題→15分。

計算問1の準ずる割合がどのくらいかかるか不明なため、予定変更で、計算から解き始めることにしました

・計算問2
問1に時間がかかるため、先にこちらから解答。

3つの建物の調整計算。
建物Aは、按分があるため、後回し。判定と期だけ解答。
建物Bは、オーソドックスな問題のため、特に難しくはない。
建物Cは、転用があることに気づき、何とか解答できた。

15分経過したため、問1へ

・計算問1
納税義務の判定が思ったよりややこしく、10分弱使ってしまう。

課税標準額の答案用紙が丸々1枚あるので、ここで酒類と不動産に分けて記載しないと、準ずる割合は収集がつかなくなりそう。
課税仕入はいつも通り、仮計算表を作成します。

取引はひとつひとつが細かいので、気を抜くと対応関係(課・非・共通)がすぐ分からなくなります。
最後までたどり着いたところで時計を見ると70分経過していました

間に合わないかも

当初の時間配分ではこの時点で理論にいく予定でしたが、あと10分だけ延長して課税仕入の区分だけ書き写すことにしました。

・理論問1
(1)ベタ書き。
(2)ベタ書き。

ここで残り10分

(3)ベタ書き

・理論問2
(2)正に〇をつけて、非課税にならない旨を作文。
(3)誤に〇をつけて、課のみになる旨を作文。

(1)と(4)は残り1分を切っていたため、誤に〇をつけるだけで解答欄は白紙になってしまいました。

計算はそこそこ出来ましたが、理論問2が時間がなく作文になってしまいました。

順番間違えたかな。

相続税法

素読み

<理論>
問1 納税義務者の事例問題→30分
問2 持分の定めのない法人→どの理論を書けばよいか分からず。

<計算>
かなり分量が多い→70分以上か

・理論問1
住所の意義は書けなかったが、納税義務者について、ベタ書きをして、事例にあてはめる。
問2は時間がかからない(何を書けばよいか分からない)ので、用語の意義まで書きました。

35分経過

・理論問2
適当に作文

40分経過

・計算
子供が養子しかいない親族図は初めて見たかもしれない。
基礎控除と法定相続分、2割加算、未成年者控除、障害者控除を解答してから、最初に戻る。

宅地は、配偶者居住権や旗竿地、区分地上権など、かなり難易度が高い。
一方、非上場株はそこまで難しくないので、できるところは間違えないように何度も確認する。

それにしても、こんなにボリュームの多い問題は、解いたことがないです。

相続税額の計算表を埋めている途中で、残り10分のアナウンス。
贈与税額控除と配偶者の税額軽減を書き終えて、残り26秒。ギリギリ終わった。

計算は最後まで行けた。
ただ、理論問2が数行の作文になってしまい、合格は厳しい――そんな感触でした。

あとがき

この年のテーマは、はっきりしています。

「合格者になった勢い」を、次の合格に変える。

でも現実は、勉強だけの一年じゃありませんでした。
転職、引継ぎ、新しい職場、実務の吸収。
生活の負荷が増えるほど、理論暗記は遅れやすくなる。そう痛感した年でした。

それでも、得たものも大きかった。

  • 科目合格が「次の環境」を連れてくること
  • 3科目受験では、理論を“全部”ではなく“持っていける形”に絞る判断が必要なこと
  • そして本番は、想定外(準ずる割合、ボリューム、時間)を前提に戦うこと

次回は、この試験の自己採点と合格発表。
「受かったと思った財表」はどうなったのか。
そして、消費税と相続税の壁をどう受け止めたのか――その続きになります。

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