令和3年(第71回)税理士試験の合格発表から、令和4年(第72回)税理士試験までの記録です。
令和4年(2022年)1月:6科目チャレンジ
残り2科目合格すれば終わる。
――それなのに、法人税の勉強を始めてしまった。
それは「必要だから」です。
税理士を目指すなら、法人税を避け続けるのは正直どこか気持ち悪かった。
だったらもう、やるしかない。
税法3科目を同時に受けて、6科目合格に挑戦する。
もちろん、無謀な挑戦と分かっていました。
法人税が重すぎて無理そうなら、途中で撤退して消費税と相続税の2科目に絞る。
そういう“逃げ道”も用意した上でのスタートでした。
令和4年(2022年)2月~3月:思っていたよりもハード
毎年この時期は確定申告で繫忙期でしたが、相続専門の税理士法人は確定申告の数は多くなく、そこまで忙しくありませんでした。
この時期は残業で勉強時間が取れないことが多かったので、だいぶ助かりました。
法人税の講義が週に2コマあるため、平日は3科目の理論暗記のみ、土日祝で法人税の講義視聴と3科目分の計算問題を解くという超ハードスケジュールで進めていました。
働きながら税法3科目は地獄です。良い子は真似しないように。
令和4年(2022年)4月:税理士試験の申し込み
とりあえず、申し込みは3科目。
受験申込書の科目欄って、普通は「1」か「2」しか書かない。
でもこの年は、初めて「8」を書きました。

これで、3科目のうち2科目合格しても合格証書は発行されず、免除申請となります。
いずれにしても税理士になれるので、あまりこだわりはありませんでした。
令和4年(2022年)5月:3科目受験の現実
こんなにゴールデンウィークをありがたく思った年は、たぶんありません。
とにかく、勉強時間を捻出する。それが最優先でした。
この期間、かなり追い込みました。
でも、やればやるほど“3科目受験の現実”が見えてきます。
- 計算を回すだけで時間が消える
- 理論に入る体力が残らない
- 3科目それぞれに「覚えるべきAランク」が山ほどある
そして薄々、こう感じ始めます。
3科目とも、理論が間に合わない。
例年なら「残り1か月」で襲ってくる焦りが、もう5月の時点で来ていました。
この段階で、勝負はかなり危うかったと思います。
令和4年(2022年)6月:理論を絞る
6月に入ると、ようやく“やれる範囲”が見えてきます。
相続は実務で触れている分、理論暗記が思ったより進みました。
一部の納税猶予を除けば、ほとんど(60題程度)暗記できそう。
一方で、法人税を始めた影響が、消費税の理論暗記に直撃します。
残り2か月で現実的に持っていけるのは、
- 消費税:30題
- 法人税:60題
このあたりが限界。
法人税の時間配分は、理論45分・計算75分を目安にすることにしました。
令和4年(2022年)7月:心身ともに限界が近い
税法科目の勉強として、
「平日は理論を回して、休みの日に計算を解く」
この型自体は有効だと思います。
でも、3科目はさすがに無理でした。
理論は3科目合計で150~160題を暗記。
計算もボーダー前後は確実に取れるレベルまで持っていけた。
それでも、なぜか合格できる自信がない。
理由は単純で、忙しすぎて、全体像が見えなくなっていたからです。
何が強くて、何が弱いのか。
どこで点を落とすのか。
自分の現在地が分からない。
令和4年(2022年)8月2日:第72回税理士試験
2日目が朝早いため、初日は11時頃起床。
消費税法
納税義務の有無の判定で3枚もあるので、時間配分に気をつけます。
まずは素読み
<理論>
問1
(1)特定課税仕入の対価の返還等の税額控除
(2)価格の表示
→ (1)は、概要と書類の保存しか覚えていない。
(2)は、そもそも覚えていないので、作文にするしかない。
20分くらい?
問2
(1)三国間取引
(2)特許権の譲渡
(3)券面のない株式の譲渡
(4)非居住者に対する金銭の貸付
(5)電気通信利用役務の提供
→ 5分×5でギリギリいけるか?
<計算>
問1
・納税義務の判定が大変
・軽減税率
・原則課税
→ 分量が凄まじい。60分でも終わらない可能性大。
問2
・簡易課税
・軽減税率
→ 簡易の計算過程まではやっている時間なさそう。
計算に時間がかかりそうです。とりあえず、40分間は理論を書きます。
・理論問1
(1)税額控除と書類の保存しか書けず。
(2)すべて税込表示が必要と作文。2行程度
15分経過
・理論問2
(1)最初は国外取引(不課税)と考えたが、「船荷証券」が記載されていたため、国内取引と解答
(2)輸出免税で解答
(3)国外取引(不課税)で解答
(4)非課税売上で解答
ここで40分経過。あと1問なので、5分使って理論を終わらせる。
(5)事業者向け電気通信利用役務の提供で解答
45分経過。時間的には、いけるかも?
・計算問1
納税義務の判定
正解できる人はいなさそうなのと、パッと見でどの免除の特例が適用されるか分からなかったので、
それぞれ、基準期間・特定期間・期首資本金だけ解答。当課税期間の判定では、「分割等の特例により、納税義務あり」とだけ記載。
50分経過。
「酒類」と「飲食料品」に気を付けて、ひたすら仮計算表に転記していく。
それにしても、取引が多すぎます。特定課税仕入、課税貨物、仕入返還、引取還付、全部ある。
一通り書き写したところで、85分経過。思ったより時間がかかっている。
課税標準、消費税額、課税売上割合、売返と中間納付を解答し、97分経過。
10分かけて、課税仕入の区分の転記と個別・一括の判定まで終わらせる。残り10分ちょっと。
・計算問2
納税義務・簡易課税の判定と課税標準、消費税額、貸倒回収、簡易の区分、売返、貸倒を、いけるところまで解答します。
納税義務・簡易課税の判定が終わったところで、残り10分のアナウンス。
取引自体は多くないが、軽減税率が混ざっているため、頭が混乱する。
焦りつつも、簡易の区分、売返、貸倒を解答できたが、ここでタイムアップ。
理論もあまりできていないので、厳しいかも。
明日は朝早いので、睡眠薬(睡眠導入剤)を飲んで早めに寝ることにします。
法人税法
計算は1題だけのようなので、理論を終わらせて残った時間を計算にあてる方針でいきます。
「始めてください」の合図で、素読み
<理論>
問1
(1)受配の益金不算入
(2)みなし配当(外国子会社配当等の益金不算入には気づけなかった)
→ (1)は、覚えているので書けそう
(2)は、細かい部分は厳しいが、ある程度は書けそう
25分くらいか。
問2
(1)繰戻還付
(2)清算事業年後
(3)子会社の欠損金の引継ぎとの子会社株式の譲渡損益について
→ 全体的に半分くらいは書けそう。申告書の提出期限や事業年度も聞かれているので、通常の理論より時間がかかるかも。
こちらも25分くらいか。
<計算>
1題しかないので、分量は多い。事業年度変更をしている。難易度はやってみないと分からないので、最低でも60分は必要。
まずは理論を40分間解答します。
・理論問1
(1)
① ベタ書き。
② 短株はベタ書き。取得予定の自己株式に係るみなし配当については、適用がないことは知っていたが、理論として覚えていないので、作文で解答。
③ ベタ書き
(2)
① みなし配当をベタ書き。
② 金額と計算は、ぱっと出てこなかったので、白紙。法的な理由は、有価証券の譲渡損益だけ書いた。
30分経過。意外と時間がかかってしまった。
・理論問2
(1)全体的に解答できたが、解散した場合は書かず。
(2)
① 事業年度は解答できた。
② 解散しているので、中間申告書は提出義務なしと解答。確定申告書の提出期限は、1月延長で解答。解答欄が狭く、やや不安になる。
ここで40分経過したので、(3)は白紙のまま計算へ
・計算
【資料1:租税公課】難しくはないが、修正申告をしているため、少し時間をかけて解答
【資料2:外貨建資産】為替予約は飛ばして、他は解答
【資料3:役員給与】みなし役員の判定に自信がないが、とりあえず解答
【資料4:減価償却】償却率の改訂は覚えていないので、分かるところだけ解答したが、ほぼ白紙に。
【資料5:暗号資産】暗号資産は問題を読んでもよく分からなかったので、付随費用の計上漏れだけ解答
【資料6:寄附金】特に難しくなく、解答
別表1の外税を記載したところで、残り10分のアナウンス
理論問2の(3)は、覚えていなかったので、理論には戻らないことに。
計算で飛ばした為替予約を解答して、タイムアップ。
微妙かな。
相続税法
昨年と同様に理論の答案用紙が4枚しかない。計算は、生前贈与加算の解答欄がないので、解ききれるかもしれない。
まずは素読み
<理論>
問1
事例理論。生前贈与が中心?
→ 解答用紙が2枚しかないため、柱上げをしてから解答する。
25分くらいあればいけるかも
問2
非上場株式の納税猶予の特例
→ ベタ書きなので、20分くらいでいけそう
<計算>
土地が少し複雑な気がするが、ボリュームは少し多いくらい。時間があれば、解ききれるはず。
いつも通り、理論を40分間解答します。
・理論問1
・3年超のため生前贈与加算(暦年)なし
・精算課税の適用あり、贈与税額控除は還付もある。
・教育資金贈与の非課税・贈与者死亡時の取り扱い
を条文をあてはめて解答。贈与税は、具体的な金額も記載。理論で初めて最後の行まで書きました。
27分経過
・理論問2
趣旨は、「円滑」の単語を入れて作文。納税猶予はベタ書き。
45分経過。理論は振り返らずに、残りの時間を全て計算にあてます。計算が出来れば受かるはず。
・計算
親族図が少し複雑だが、法定相続人の数を間違えなければ、何とかなるので、ゆっくり確認する。
先に2割加算と未成年者控除を記載して、問題を最初から解いていく。
宅地はちょっと難しそうなので、できるところは間違えないように。小規模は、宅地が間違っていると芋づる式に間違えるので、時間を使わずに進める。
非上場株の単元株は、よく分からないが、1株あたりは変わらないはずなので、いつも通りに進める。
純資産価額が大きくなり、少し不安に。
相続税の総額の計算を埋めていた時に、残り10分のアナウンス。最後まで解ききれる。
配偶者の税額軽減の計算が終わって、残り40秒。
納付税額まで書ききって、タイムアップ。
いくら相続税の受験生のレベルが高いとはいえ、理論がほぼ完璧なので、計算が耐えてくれれば、受かっているはずです。
働きながら3科目受験にしては、上出来ではないでしょうか。


