税理士試験受験記録③ 初めての税法

税理士試験

受験しなかった平成27年(第65回)税理士試験から、12月頃までの記録です。

平成27年(2015年)8月~:反省会

簿記論と財表についていけなくなった理由を、改めて一言でまとめるなら――
アウトプット不足。これに尽きます。

講義を見て「理解した気」になって、そこで止まってしまった。
トレーニングや演習問題を解く時間(=手を動かして身につける時間)を軽く見ていました。

今思えば、あまりにも典型的な失敗です。
“インプットだけで満足してしまう”受験生あるある

次の税理士試験は、もう言い訳ができない。
「受かる年」にしなければいけない。
だからこそ、早い段階から問題演習に軸足を移すことにしました。

再度講座を取るのではなく、

  • これまで使ってきたトレーニングを解き直す
  • 答練も解き直す
  • 「分かったつもり」を排除する

昨年と同じ勉強時間でも、違いは決定的でした。
これまでは講義を見ていた時間が、丸ごとアウトプットに置き換わる。
この差は、想像以上に大きい。

「勉強時間を増やす」のではなく、
同じ時間を“合格に直結する使い方”に変える。
ようやく、受験生として当たり前のことに気づき始めました。

平成27年(2015年)9月:消費税法の勉強開始

そんな中、ある日ふと――思いつきのように、新しい科目に手を伸ばしました。
消費税法です。

もし簿財に受かったら、いずれ税法科目に挑戦することになる。
だったら、今のうちから税法に触れておくのは悪くないんじゃないか?

それに、大学在学中の官報合格は、ほぼ不可能になった。
これから先は、社会人として働きながら勉強する未来も現実的に考えなければいけない。

「2か年計画」――
簿財を固めつつ、税法の入口を先に作っておく。
途中で挫折する可能性まで含めても、案外、合理的な作戦かもしれない。

淡い期待もありました。
もしかしたら、簿財消同時合格を狙えるのではないか――と。

税理士試験の税法科目は、次の中から3科目合格することが必要です
(ただし 所得税法または法人税法のどちらか1科目は必須)。

  • 所得税法
  • 法人税法
  • 相続税法
  • 消費税法 または 酒税法
  • 国税徴収法
  • 住民税 または 事業税
  • 固定資産税

そして受験生の世界では、税法科目はよく

  • 国税三法(所得税法・法人税法・相続税法)
  • ミニ税法(消費税法など上記の“それ以外”)

の2つに分けて語られます。

国税三法はボリュームが大きい。
簿財と同時に走れる気が、どう考えてもしませんでした。
だから私は、ミニ税法の中から選ぶことにして、実務で使う機会も多そうな消費税法に決めました。

資料請求をして、またしても親に頭を下げました。
借りたのは 15万円
TACの消費税法の通信講座(基礎マスター+上級コース)に申し込み。

簿財で借りた20万円の返済がちょうど終わっていたので、ギリギリもう一度頼めた形です。
……当然、バイトは増やさなければいけません。

平成27年(2015年)12月:消費税、意外といけるかもしれない 

昨年と同じく、10月は文化祭があり、大学とバイトでバタバタしていました。
それでも11月、12月は比較的時間が取れて、勉強のペースが戻ってきます。

まず簿財。
トレーニング問題の解き直しを続けた結果、基礎がようやく固まりました

具体的には、トレーニングNo.1〜No.4の「基礎」ランク。
ここに関しては、理解も安定して、ミスもかなり減った。
“最低限の土台”が、やっとできた感覚です。

そして消費税法。
始めてみると、意外な印象を持ちました。

計算が、簿記論ほど難しくない。

もちろん、簡単という意味ではありません。
ただ、入口が分かりやすい。

最初は、

  • 課税の対象(そもそも何に消費税がかかるのか)
  • 税区分(課税/非課税/免税/不課税)

といった“仕組み”の話から入っていくので、簿財のように
「仕訳が分からないと、そもそも話が理解できない」
というつまずき方をしませんでした。

簿財でスタートにつまずいた経験がある分、これは大きかったです。
思った以上にストレスが少なく、前に進めました。

何より、会計科目よりも税法科目の方が、勉強していて苦じゃない。
税金は身近なテーマで、生活に置き換えてイメージできる。
この“手触り感”が、私にとっては決定的に違いました。

そして今回は、簿財の反省をちゃんと活かしました。

講義 → トレーニング
この順番を崩さない。

計算も少しずつ難しくなっていきます。

  • 個別対応方式
  • 著しい変動
  • 転用
  • 簡易課税

ただ、どれも“型”がある。
パターンが見える分、取り組みやすさはありました。
少なくとも、簿財のように「何をしているか分からない」状態にはならない。

――計算は、順調。

問題は、ここからです。

財表と同じように、理論暗記がうまくいきません。

「書けない」
「言葉が出てこない」
「覚えたはずなのに、答案の形にならない」

計算はなんとか形になりそうなのに、理論暗記が進まないもどかしさに直面することになります。

後記

  • 簿財での失敗を「才能がない」で片づけるのではなくやり方が間違っていたと認められたこと
  • 講義を見るだけで満足していた自分を受け入れ、アウトプット中心に切り替えたこと
  • 消費税法という新しい科目に挑戦し、「税法って面白いかもしれない」と思えたこと

どれも小さな変化ですが、この積み重ねがなければ、その後の合格はなかったと断言できます。

税理士試験は、いきなり劇的に伸びる試験ではありません。
むしろ――

  • 失敗して
  • やり方を修正して
  • もう一度積み直して
  • また失敗して

その繰り返しの中で、少しずつ精度が上がっていく試験です。

もし今、あなたが

  • 講義は見ているのに点が伸びない
  • 問題を解くのが怖い
  • 新しい科目に手を出すべきか迷っている

そんな状態なら、かつての私とほぼ同じ場所にいます。

大きな決断をしなくてもいい。
まずは今日、1問でも多く“解く”こと。
1つでも多く“書いてみる”こと。

結局、合格に近づけるのは
地味で退屈な反復だけでした。

この時期の私は、まだ合格には程遠い。
でもようやく、正しい方向を向き始めました。

次回は、理論暗記との本格的な戦いと、初めて本試験に挑戦する記録になります。

タイトルとURLをコピーしました