税理士試験受験記録⑫ 5回目(簿記論、財務諸表論、所得税法)

税理士試験

令和1年(第69回)税理士試験の合格発表から、令和2年(第70回)税理士試験までの記録です。

令和1年(2019年)12月:悔しさと諦めの狭間で

簿記論の結果は59点。寝不足でなければ、あと1つくらい正解できていたかもしれない。
そのたった1点で、もう1年勉強しなければならないことを考えると、気が滅入りました。

税理士試験、やめようかな...

本気でそう思っていました。

所得税は、昨年よりも2点が上がっていましたが、、、

2点上がっている?

理論は3割~4割しか書けず、計算も1枚白紙で提出し、これまでの試験で1番手応えのなかった所得税の点数が57点。

一方、昨年はそれなりにできたつもりで55点…。

これが相対評価なのか

前から、税理士試験は相対評価であるとは聞いていましたが、実際に感じたことはありませんでした。

ですが、今回の結果で理解できました。

自分が書けなかった理論は他の人も書けず、計算も最後の方は白紙解答が多かったため、解いた箇所の配点が高くなり、57点になったのだと思います。

試験の解き方さえ間違えなければ合格できる。」

所得税の点数を見て税理士試験のコツを掴んだ気がしたので、もう1回だけやってみて、ダメなら撤退することに決めました。

令和2年(2020年)1月:勉強法を全面的に見直す

ちょうど、応用の総合問題集も発売されていたので、今さらですが、勉強方法の刷新を試みました。

計算:

  • 簡単な項目を、ひとつも間違えないこと
  • 制限時間の8割の時間で解くこと(解答できない部分は捨て問になること)
  • 同じ問題を2日連続で解くことで記憶に定着させること

理論:

本試験同様のシチュエーションにするため、椅子に座り、ひたすら理論の文章を思い出す作業を繰り返す。

効果が出なければ、やり方を改めることにします。
スマホ中毒になりつつあったので、勉強中はスマホを物理的にシャットアウトしました。

令和2年(2020年)2月:新型コロナウイルス

1月から世間を賑わせていた新型コロナウイルスが、とうとう日本でも混乱を招く事態に。
確定申告の期限も延長され、なんとも不透明な状況が続きました。

こんな時だからこそ、自分のやるべきことを淡々とこなすしかないので、家にこもって勉強を続けました。

令和2年(2020年)4月:緊急事態宣言

4月7日、安倍首相から緊急事態宣言が発令されました。今後こんな経験をすることはないでしょう。
仕事も、交代でリモートワークとなり、通勤時間がなくなった分、勉強に集中できました。

計算では、自分のミスする原因や癖が分かったので、対応策を考えます
これまでは何となく大丈夫だろうと思っていましたが、最後の試験になるかもしれないので、小さなことでも対策を徹底することにします。

  • 日本語を読み飛ばす・読み間違える→文章を指で差しながらひと文字ずつ読む
  • 同じ数字が続くと読み間違える(例:977を997と間違える)→同じ数字が続いたら、一度目を離し、ゆっくり数字を読む
  • 最後の最後で気を抜く(転記ミスなど)→すぐに2~3回確認する

理論は、机に座ってひたすら思い出すやり方が、なぜか異様に記憶に残りました。
所得税の理論は、このペースでいけばほとんど暗記できそうでしたが、どうしても時間がかかる方法なので、財表の理論まで辿り着けるかは、分かりませんでした。

平日は理論暗記と簿記論の個別問題、土日祝は計算というスケジュールで問題なく進められていました。

令和2年(2020年)5月:静かなゴールデンウイーク

緊急事態宣言による外出自粛要請で、どこにも行けないゴールデンウイーク。
しかし、税理士受験生は、緊急事態宣言がなくても勉強でステイホームしているので、あまり影響はなかったはずです。
渋谷のスクランブル交差点に誰もいない映像を見ることは、後にも先にも今回だけでしょう。

簿記論の苦手論点は、基礎的な問題を1週間ほど、毎日解くことで克服できることが分かってきました。
これまでは、単純に勉強量が足りなかったみたいです。

財表の計算問題は、安定して8割取れるようになってきました。理論は、所得税の関係でまだ覚えきれていないですが、試験では十分戦えそうです。

所得税は、計算問題を仕上げて、理論暗記の比重を高めていくことになります。

令和2年(2020年)6月:本試験に向けた「自分ルール」

これまでの税理士試験では、ざっくりとした時間配分で臨んできましたが、解く順番と時間配分をきっちり決めて、ルーティン化することにしました。

<簿記論>
1.第三問:50分(60分経過したら、第一問へ)
2.第一問:20分(25分経過したら、第二問へ)
3.第二問:20分(25分経過したら、残り時間で、できる問題だけ解答)

<財表>
1.計算:70分(75分経過したら、理論へ)
2.理論第一問:15分(20分経過したら、第二問へ)
3.理論第二問:15分(20分経過したら、残り時間で、できる問題だけ解答)

<所得税>
1.理論第一問:20分(25分経過したら、第二問へ)
2.理論第二問:20分(25分経過したら、計算へ)
3.計算第一問:30分(35分経過したら、第二問へ)
4.計算第二問:30分(35分経過したら、残り時間で、できる問題だけ解答)

解答時間を強制的に区切ることで、時間切れで手を付けられなくなることを防ぎます。
練習のため、毎回時間をメモすることにしました。

簿記論は過去問を使って、時間配分と取捨選択の練習をしていました。

令和2年(2020年)7月:心療内科へ

昨年は、試験前日に緊張で眠れず、初日の簿記論と財表は寝不足で受ける羽目になりました。
今年は同じ失敗を繰り返さないために、睡眠薬をもらおうと心療内科へ。

事情を説明すると、意外と同じような悩みの方が結構いるらしく、睡眠導入剤を処方してもらえました。

人生初の睡眠薬ですが、効果はバッチリでした。これで試験当日は万全の状態で望めそうです。

計算は3科目とも上位10%のレベルにいるはずです。理論は、所得税はほとんど暗記できましたが、財表は6割程度です。

令和2年(2020年)8月18日:第70回税理士試験

前日は、睡眠薬のおかげで早く眠ることができたので、体調は万全です。

新型コロナウイルスの影響で、試験会場ではサーモグラフィーによる体温測定が行われ、試験中はマスクの着用が義務付けられました。

また、感染予防の観点から、今までになく広い受験会場(幕張メッセ)での実施でした。

簿記論

素読み

第一問
問1:推定簿記→15分
問2:純資産→10分

第二問 
問1:在外支店→10分(おそらく捨問なので最後に解く)
問2:リース→10分

第三問
通常の総合問題→65分

予定通り、第三問から解きはじめる

・第三問
頭から解いていく。

預金は簡単。仮払金・一般商品売買・売掛金・レンタル固定資産は、理解に時間がかかりそうなので飛ばす。
有価証券・ソフトウェア・賞引・退引・法人税は簡単なので、2回確認する。

ここまで解いて分経過

飛ばした項目で、仮払金・棚卸資産・レンタル固定資産を解いて、60分経過したので、切り上げて第一問へ。

・第一問
問1 最初見たときは、面倒な問題かと思ったが、解きはじめると、そうでもなかった。1つ空欄で次へ。

75分経過。

問2 新株予約権・自己株式・有価証券などの基本問題で、仕訳は難しくはないが、剰余金処分の仕訳で端数が生じて焦る。何回電卓を叩いても、500円が生じてしまう(答案用紙は千円単位)ので、「.5」で解答。

90分経過したので途中で第二問へ

・第二問
問2 リースの借手と貸手の問題。貸手側の科目がいつも分からなくなるが、選択肢にあるので、特に詰まることなく、全部解答。

105分経過。

問1 (1)と(2)を解答したとこで、残り10分のアナウンス。
(3)と(4)は半分埋め、タイムアップ。

取捨選択は間違っていないはずなので、おそらく受かっていると思う

財務諸表論

素読み

第一問
包括利益→20分

第二問
問1 概念フレームワーク→10分
問2 資産除去債務→10分

第三問
製造業の総合問題
科目を書かせる箇所が、かなり多い。
→75分

計算から解きはじめる

・第三問
頭から順番に解いていく。

有価証券までは特に詰まることなく、順調に解けるが、ボリュームが多いので、思ったよりも時間がかかる。

棚卸資産は、製造業で整理に時間がかかるため、飛ばして固定資産へ行くが、減損に遊休資産があり、ここも飛ばすことに。
事業譲受以外は最後まで解答し、70分経過したので理論へ

理論へ

・理論第一問
穴埋めが2つ分からず、包括利益以外の文章は作文になってしまった。

・理論第二問
問1
穴埋めは完答したが、リースの文章はうまく書けず。

残り10分

問2
穴埋めは完答したが、資産除去債務の文章を作文しているところでタイムアップ。

計算ができていれば受かっているはず

初日の試験はまずまずの手応えでした。
会場が今までで1番遠かったので、明日の所得税の試験に備えて早めに休みます。

所得税法

答案用紙に「平均課税の適用判定」が印字されていてビビるが、その後に計算するスペースがないので、判定して適用なし、と予想。

照明が暗いという理由で、試験開始が30分遅れました。この間にトイレに行く人が多数。
税理士試験では初めての出来事でした。

素読み

<理論>
問1 給与所得控除と特定支出控除→25分
問2 馬券の払戻金の所得区分→25分

<計算>
問1 事業所得中心→30分
問2 譲渡所得中心→30分

理論から解答。

・理論問1
給与所得控除は、概算経費である旨を説明し、ベタ書き。具体的な控除額は書かず。
特定支出もベタ書きしたが、6つしか書けず、どうしても1つ思い出せなかったため問2へ

・理論問2
一時所得になるが、場合によって雑になる可能性もある的なことを書き、一時所得をベタ書き。(雑所得は書かず)

40分経過したが、あと少しなので、最後まで書く

一時所得と雑所得の場合のそれぞれの所得の金額を説明し、具体的な金額を書いたところで計算へ。

50分経っていない。お、これはいけるかも?

・計算問1
売上の集計に手間取ってしまったが、ポイントと立退以外は、特に手を止めることなく解答。
所得拡大は直前に復習しておいてよかった。

85分経過

・計算問2
解答欄がよく分からないところがあったが、ほぼ全て解答。残り57秒で、買換特例の計算式を思い出し、譲渡所得に解答して、タイムアップ。

できた~!
合格を確信した瞬間でした。

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