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税理士試験の受験生・科目合格者として転職活動をする際
- どんな経歴の書き方が評価されるのか
- どんな求人に応募すればいいのか
- 面接でどうアピールすればいいのか
このような悩みに直面する方は多いのではないでしょうか。
転職が一般的な税理士業界でも、いざ転職活動を始めるには勇気が必要です。
本記事では、税理士受験生・科目合格者が転職で内定をつかんだ職務経歴書の実例を公開し、さらに採用を担当した経験から転職を有利に進める方法を解説します。
記事を読み終える頃には、転職エージェントの活用方法や転職のやり方が分かり、今日から一歩踏み出せるはずです。
職歴
はじめに私のこれまでの職歴をご紹介します。
新卒で個人の税理士事務所に入社(在籍期間:1年9か月)
保有科目:なし
大学卒業後、資格は簿記2級のみという状態で、ハローワーク経由で個人の税理士事務所に入りました。
税理士受験生だったので採用してもらえたようなものです。
▼ 所長の引退による事務所閉鎖で転職活動開始(保有科目:なし)
中規模の税理士法人へ転職(在籍期間:2年4か月)
次の職場は
- 代表が比較的若い
- 個人事務所ではなく税理士法人
- 年収は現状維持
- 残業少なめ
といった条件で探してもらい、多少の実務経験と税理士受験生という立場が評価されて中規模の税理士法人に転職できました。
ここでは、代表の意向で人事や総務の仕事もしていました。
初めて科目合格(簿記論、所得税法)し、とても嬉しかった記憶があります。
▼ 代表のワンマン経営っぷりに嫌気が差し、転職活動開始(保有科目:簿記論、所得税法)
資産税専門の税理士法人へ転職(在籍期間:2年8か月)
科目合格者になったので、転職はかなりスムーズでした。
ちょうど相続税法を勉強していたため、相続税の申告を経験できる税理士法人に転職しました。
在籍中に財務諸表論と相続税法に合格し、消費税法と法人税法を受験した直後にキャリアアップを決意。
▼前々から興味のあったBig4を目指して転職活動開始(保有科目:簿記論、財務諸表論、所得税法、相続税法)
Big4税理士法人へ転職(在籍中)
4社すべてで書類が通り、複数回の面接を経て3社から内定をいただき、そのうちの1社に入社しました。
書類選考から内定まで約2か月かかり、これまでの転職の中では1番の長丁場でした。
余談ですが、入社前に官報合格し、税理士試験終了となりました。
上記の通り全ての転職を、受験生・科目合格者の立場で成功させていますので、これから就職・転職を考えている受験生の皆さんにも再現性の高いアドバイスをお伝えできると思います。
近年、税理士業界の人手不足が深刻化し、税理士受験生や科目合格者がますます貴重な存在になってきています。
私が転職した当時より人材はさらに減っており、この傾向は今後もしばらく続くと考えられますので、「少し行動を起こすだけ」でチャンスを掴める状況です。
特に、実務経験を持つ税理士有資格者は「喉から手が出るほど欲しい人材」になっていますので、気軽に転職活動してみてください。おそらく選び放題です。
なぜ転職するのか
税理士業界で働いていると、こんな悩みがあるはずです。
- 年収を上げたい
- 残業や休日出勤を減らしたい
- 通勤時間を短くしたい
- スキルアップを図りたい
- 人がどんどん辞めていく
- 社風や経営方針が合わない
- キャパオーバーの業務量を振られる
- 所長が頑固すぎる
- 高圧的な言い方やパワハラ・セクハラをされる
- 人間関係に悩んでいる
- 若手が少なく活気がない
- なんとなく仕事のやる気が出ない
- 入社前の説明と待遇にギャップがある
- 税理士試験の勉強時間を確保できない
- 資産税・相続・M&Aなど専門分野に挑戦したい
- 評価や待遇が不公平に感じる
- 業務が単調すぎて刺激がない
- 独立するための経験を積みたい
- リモートワークがしたい
2つ以上当てはまるなら、転職を検討する価値は十分にあります。
3つ以上なら、今すぐ転職すべきです。
古き良き時代の事務所と令和時代の事務所
税理士の平均年齢は60歳を超えており、税理士業界全体として「古き良き時代の事務所」と「令和時代の事務所」に二極化が進んでいる印象があります。
古き良き時代の事務所(=価値観がアップデートされていない事務所)
- 給与が極端に少ない
- 残業代が出ない
- ノルマが厳しい
- パワハラ、セクハラがある
- まともに教えてもらえない
- 事務所の雰囲気が悪い
- 紙媒体中心
- 昔ながらのやり方に固執
- 強制出社
令和時代の事務所(=時代の変化に対応している事務所)
- 給与が比較的高い
- 残業代は全額支給
- インセンティブあり
- コンプライアンス重視
- OJT制度が整っている
- 人間関係良好
- ペーパーレス
- AIを活用している
- リモートワーク可
今後生き残っていくのは、間違いなく「令和時代の事務所」です。
もし「古き良き時代の事務所」にお勤めの場合は今すぐに転職活動を始めてください。
転職後に「もっと早く動けばよかった」と感じる人はいても、「転職して失敗だった」と後悔するケースは少数です。
転職エージェントへの登録
転職活動を始める際は、転職エージェントをできるだけ活用することをオススメします。
登録は無料ですし、私自身も3度の転職すべてでエージェントを利用して転職を成功させています。
周りを見ても、自己応募だけで転職を成功させた方にほとんど会ったことがありませんので、それだけエージェントを経由しての転職が一般的になっているといえます。
TACや大原に通っている方は、各校が主催する就職説明会や求人紹介を利用してもいいかもしれません。
また、正社員のほかにアルバイト・パートの需要も高まっているので、希望に合わせて情報収集するといいかと思います。
では、実際に「利用してよかった」と思えたエージェントをご紹介します。
ヒュープロ
税理士向け求人数No.1を誇るエージェントです。
税理士業界での転職なら、ここ一択といっても過言ではありません。
正社員・アルバイト問わず求人数が非常に多いので、提案される求人の膨大さに圧倒されると思います。
また、スピード感のある対応も特徴です。
私も実際に利用した際、書類通過後すぐに面接日程の連絡が入り、かなり慌てた記憶があります。
他のエージェントにも登録したことがありますが、最終的に内定をいただけたのはメインで利用したヒュープロでした。
自分ひとりで応募するよりも、転職エージェントを活用する方が効率的に動けて安心です。
特に非公開求人の紹介や面接対策は、自己応募では得られない大きなメリットになります。
「まずは話を聞くだけ」でもOKです。無料で登録できますので、自分に合う求人を探してみてください。
メリット
- 非公開求人を紹介してもらえる
- 履歴書や職務経歴書の添削、面接対策をしてもらえる
- 面接などの日程調整をすべて任せられる
- 離職率や残業時間など、直接聞きにくいことを代わりに確認してくれる
- 年収などの希望条件を代理で交渉してくれる
- 無料で利用できるので金銭的な負担が一切ない
また、気になる事務所が転職エージェントに求人を掲載していれば、採用にコストをかける余裕がある(=比較的業績が良い)ことが分かります。
自己応募を考えている方も、一度登録して「気になる事務所が求人が出ているか」チェックしてみるのも有効な活用方法です。
デメリット
一方で注意すべき点もあります。
人材紹介のビジネスは、採用が決まった段階で「年収の一定割合」を紹介手数料として受け取る仕組みです。
そのため、場合によってはやや強引な紹介やミスマッチが起こることがあります。
私の経験では、
- 「M&A案件も少し関われると嬉しい」と言っただけで、M&A専門の事務所ばかり紹介された
- 「転勤のない事務所を希望」と伝えていたのに、面接で転勤の可能性を匂わされた
といったことがありました。
エージェントの提案に流されず、主張すべき点はしっかりと伝えることが大切です。
認識の齟齬を避けるためにも、自分の希望条件は明確にしておきましょう。
転職活動の流れ
おおまかなスケジュールと内容になります。
エージェントへの登録
- まずは電話番号やメールアドレス、パスワードを登録するだけでOKです。
- その後、個人情報の登録を行います。
エージェントからの電話
- 早ければ登録してから数十分後、遅くとも数日以内にエージェントから電話がかかってきます。
- ここで約15分ほど転職活動の概要をヒアリングされ、専属の担当者(キャリアアドバイザー)との面談の日程が調整されます。
エージェントとの面談
- 基本的に電話で30分~60分程度です。
- 転職活動中の不明点や疑問点はエージェントに相談しましょう。最後まで転職活動をサポートしてくれます。
履歴書と職務経歴書の作成
- エージェントからエクセルのフォーマットをもらえるので、早めに入力して内容をチェックしてもらいましょう。
- 現状、税理士業界は深刻な人手不足で圧倒的な売手市場のため、書類選考は高い確率で通過します。(例外:40歳以上の業界未経験でBig4を志望の場合など)
職務経歴書作成のポイント
形式は問いませんが、下記3点は必ず盛り込むようにしてください。
①勤務してきた事務所の情報
- 就業した事務所を逆時系列で記載
- 従業員数と有資格者の数・使用した会計ソフトや申告ソフトを記載
例)
○○税理士法人(2022年10月~現在)
従業員:○○名(うち税理士○○名)
使用ソフト:達人、弥生会計、・・・
○○会計事務所(2018年4月~2022年9月)
従業員:○○名(うち税理士○○名)
使用ソフト:達人、TKC、・・・
②担当した顧客の件数、概要
- 法人・個人別に件数を記載
- 法人は3社程度でいいので規模や業種を具体的に記載(資本金・売上高・従業員数)
例)
担当顧客(法人○○件、個人○○件)
・不動産業(資本金:○円、売上高○円、従業員数:○名)
・製造業(資本金:○円、売上高○円、従業員数:○名)
・飲食業(資本金:○円、売上高○円、従業員数:○名)
③職務内容
- 税務以外の業務を含め、経験した業務を箇条書きで記載
例)
・仕訳、会計ソフト入力
・法人の各種税務申告書(法人税、消費税、事業税、都道府県民税、市町村民税)の作成
・年末調整
・備品管理
職務経歴書チェックリスト
作成する際の参考にしてください。
チェック項目 | 確認内容 | ☑ |
---|---|---|
職務要約 | 経験・スキル・担当範囲が簡潔にまとめられているか(2~3行程度) | □ |
転職先にアピールしたいポイントが明確になっているか | □ | |
全体のフォーマット | 見出し・箇条書きが整理されているか | □ |
フォントや文字サイズは統一されているか | □ | |
職務経歴の内容 | 逆時系列になっているか | □ |
担当顧客数や規模が明記されているか | □ | |
主要業務・スポット業務が箇条書きで整理されているか | □ | |
使用ソフトや専門分野が明記されているか | □ | |
OJTやマネジメント経験など、付加価値のある経験が記載されているか | □ | |
保有資格・科目合格 | 税理士科目や簿記資格などを明記 | □ |
専門分野・経験年数 | 資産税、相続税、法人税など分野別に経験年数や件数を整理 | □ |
成果・貢献の記載 | 節税提案、業務効率化、クライアント対応など具体的成果を明示 | □ |
マネジメント経験 | OJT指導人数、プロジェクトリーダー経験を明記 | □ |
文章・表現 | 誤字脱字がないか | □ |
文章が簡潔で読みやすいか | □ | |
専門用語や略語は統一されているか | □ | |
転職希望との整合性 | 応募ポジションに沿った経験が書かれているか | □ |
アピールしたい経験・スキルが網羅されているか | □ | |
最終チェック | PDF化して文字崩れや体裁を確認 | □ |
職務経歴書公開
固有名詞は伏せますが、私が転職時に提出した職務経歴書をそのまま公開します。
※責任は負えませんが、記載例として参考にしてください。
職務要約
個人税務事務所および中規模会計事務所にて約4年間、中小企業の法人税務を中心に、税務申告書作成、決算業務、経理補助、記帳代行など幅広い業務に従事。その後、資産税専門の税理士法人にて相続税申告や事業承継案件を担当。直近1年間は主に現場主任としてクライアントと接し、数名のメンバーマネジメントも経験しています。
職務経歴
1.資産税専門の税理士法人(2021年5月~現在)
従業員:138名(うち税理士24名)
使用ソフト:達人、弥生会計、魔法陣、DocuWorks
■職務内容
(1)相続税申告業務(年間30件程度)
- 小規模宅地等の特例を適用した申告
- 一次相続・二次相続を踏まえた申告
- 相続放棄があった場合の申告
- 延納及び物納を適用した申告
- 事業承継税制(非上場株式等の納税猶予の特例)を適用した申告
- 未分割申告
- 相続時精算課税を含む申告
- 国外財産がある場合の申告
- 遺留分侵害額請求があった場合の修正申告・更正の請求
- 土地評価誤りに係る更正の請求 等
(2)個人の確定申告業務
- 不動産所得:10件
- 譲渡所得:30件
(3)スポット業務
- 資産管理会社の設立支援
- 自社株の評価、贈与、譲渡
- 公正証書遺言の作成支援、立会
- 遺言執行業務
- 税務調査対応
- 固定資産の交換、買換え 等
2.中規模の税理士法人(2019年1月~2021年4月)
従業員:34名(うち税理士8名)
使用ソフト:達人、弥生会計、弥生給与、MF会計、freee会計、PCA会計、勘定奉行、MJS、TKC
■担当顧客(法人:50件、個人:35件)
- 不動産賃貸業(資本金:5億円、売上高60億円、従業員数:210名)
- コンサルティング業(資本金:1億円、売上高:25億円、従業員数:75名)
- 製造業(資本金:5千万円、売上高:3億円、従業員数:37名)
■職務内容
(1)法人の決算、税務申告業務
- 顧客先訪問、経理指導
- 月次、年次、決算処理(財務諸表作成、キャッシュフロー計算書作成など)
- 法人の各種税務申告書(法人税、消費税、事業税、都道府県民税、市町村民税)の作成
- 連結納税対応
- 給与計算(源泉所得税の納付書作成)、年末調整、法定調書作成、償却資産税申告
(2)個人の確定申告業務
- 不動産所得:20件
- 事業所得:10件
- 譲渡所得:5件
(3)スポット業務
- 法人の解散・清算
- 事業譲渡
- グループ内組織再編(主に適格合併、適格株式移転)
- 税務調査対応
- 減資・欠損填補による均等割の節税 等
(4)その他業務
- 新人に対するOJTによる実務指導
- 採用選考フローの管理、内定者フォロー
- 就職情報サイトへの求人掲載、人材サービス会社への対応
- オフィス拡大、プリンター導入、郵便物管理
3.個人の税理士事務所(2017年4月~2018年12月)
従業員:9名(うち税理士3名)
使用ソフト:達人、弥生会計、弥生給与
■担当顧客(法人:15件、個人:10件)
- 不動産管理業(資本金:1千万円、売上高4千万円、従業員数6名)
- 建設業(資本金1千万円、売上高:3千万円、従業員数4名)
- 小売業(資本金100万円、売上高:2千万円、従業員数3名)
■職務内容
(1)法人の決算、税務申告業務
- 月次、年次財務諸表作成及び決算処理
- 法人の各種税務申告書(法人税、消費税、事業税、都道府県民税、市町村民税)の作成
- 給与計算、年末調整、法定調書作成、償却資産税申告
(2)個人の確定申告業務
- 不動産所得:5件
- 事業所得:5件
(3)相続税申告業務(年間数件程度)
- 小規模宅地等の特例を適用した申告
- 一次相続・二次相続を踏まえた申告
意外と殺風景かもしれませんが、こんなもんで大丈夫です。
職務経歴書の型が分かれば、あとは応募先に合わせて調整するだけです。
エージェントを利用すれば、応募先に合わせた添削や面接対策まで受けられます。
求人紹介・応募
具体的に応募したい会社が決まっている場合は、その会社名を出して求人票を送ってもらいましょう。
まだ応募先が決まっていない場合は、希望する仕事内容や収入、働き方などを伝えてください。エージェントがいくつか求人票をピックアップしてくれるはずです。
ざっくりとした条件でも問題ありません。
例えば:
- 相続専門の事務所
- 新宿区にある会計事務所
- 月の残業20時間以内
- 1日3時間から勤務可能
- 未経験可
希望条件に合うかどうか、仕事内容や働き方について不明点があれば、エージェントに遠慮なく相談しましょう。
エージェントはあなたに合った職場を探すプロなので、少しでも気になることがあれば積極的に活用してください。
なお、書類審査が通ると基本的に面接は辞退できませんので、まずは2~3社に絞って応募するのがオススメです。
面接
エージェントから過去の面接の情報を教えてもらえる場合がありますので確認しましょう。
税理士業界の面接で重視されるポイントは大きく分けて3つです。
基本マナー(常識)
- 目を見て話す
- 聞かれたことに簡潔に答える
- 社内の報連相、クライアント対応などコミュニケーション能力に問題がなさそうに見える
実務経験(何ができるか)
- 職務経歴書に書いた内容を簡潔に説明できる
- 未経験分野は正直に伝える
- 業界未経験の場合は他業種経験や強みをアピール
志望理由(何をしたいか)
応募した事務所の特徴を志望理由に入れつつ、冒頭の転職理由をポジティブに表現しましょう。
ネガティブな理由 | ポジティブな言い換え |
---|---|
年収を上げたい | 自身のスキルを正当に評価いただける環境で、更なる成長と貢献を目指したい |
残業や休日出勤を減らしたい | ワークライフバランスを保ちつつ、効率的に成果を出せる働き方を実現したい |
通勤時間を短くしたい | 通勤時間を有効に活用し、勉強や業務に集中できる環境を整えたい |
スキルアップを図りたい | より専門性を高め、幅広い業務に挑戦できる環境を求めている |
人がどんどん辞めていく | 安定した環境で長期的にキャリアを築きたい |
社風や経営方針が合わない | 自分の価値観や強みを活かせる組織で働きたい |
所長が頑固すぎる | 柔軟に意見交換できる風通しの良い職場を求めている |
高圧的な言い方やパワハラ・セクハラをされる | 相互に尊重し合える環境で、安心して業務に取り組みたい |
人間関係に悩んでいる | チームワークを重視し、協力して成果を出せる環境で働きたい |
若手が少なく活気がない | 年齢層が幅広く、活気ある組織で切磋琢磨したい |
なんとなく仕事のやる気が出ない | モチベーション高く取り組める新しい挑戦の場を求めている |
入社前の説明と待遇にギャップがある | 明確な評価制度や透明性のある環境で働きたい |
税理士試験の勉強時間を確保できない | 業務と学習を両立できる環境で、資格取得を目指したい |
資産税・相続・M&Aなど専門分野に挑戦したい | より専門的な分野で実務経験を積み、キャリアの幅を広げたい |
評価や待遇が不公平に感じる | 公平な評価制度の下で実力を発揮したい |
業務が単調すぎて刺激がない | 幅広い業務に携わり、専門性を深めたい |
独立するための経験を積みたい | 多様な経験を積みたい |
リモートワークがしたい | 柔軟な働き方を通じて効率的に成果を出したい |
何かしらの不満があるから転職するということは面接官も理解していますので、ネガティブな面を無理に隠そうとしたり、噓をつく必要はありません。
誰が聞いても納得するような転職理由であれば、正直に話してもよいでしょう。
ただし、どこまで話すべきかはケースバイケースであるため、事前にエージェントへ相談しておくのが安心です。
面接チェックリスト
面接を受ける前に参考にしてください。
チェック項目 | 確認内容 | ☑ |
---|---|---|
基本マナー | 目を見て話せる | □ |
聞かれたことに簡潔に答えられる | □ | |
姿勢・身だしなみが整っている | □ | |
声の大きさ・スピードが適切 | □ | |
実務経験 | 担当した顧客(固有名詞は伏せる)や業務内容を説明できる | □ |
使用したことのあるソフトやシステムを説明できる | □ | |
未経験分野を正直に説明できる | □ | |
他業種経験をアピールできる | □ | |
志望理由 | なぜこの事務所に応募したか説明できる | □ |
ポジティブな志望理由を伝える | □ | |
前職や他事務所の悪口を言わない | □ | |
面接時の立ち振る舞い | 落ち着いて対応できる | □ |
ある程度猫をかぶる(明るいキャラクターを作る) | □ | |
面接官の質問を最後まで聞く | □ |
実際に聞かれたこと(面接質問集)
※質問はすべて「です・ます調」で聞かれています。
すべての転職で聞かれた質問
- なぜ税理士を目指そうと思ったのか
- どのような税理士になりたいか
- 独立する気はあるか
- どんな仕事をしたいか
- なぜ他の税理士法人ではなくうちに入りたいのか
- 他にも応募しているか
中規模の税理士法人
- クライアント対応はひとりでできるか
- 記帳代行から申告書作成までは問題なくできるか
- 修正申告、更正の請求の経験はあるか
- クライアントによって会計ソフトが異なる場合があるが、対応可能か
- 趣味はあるか
- 家族構成を教えてほしい
- 税理士試験は続ける予定か(官報か院免か)
資産税専門の税理士法人
- 相続税、所得税、贈与税申告の経験はどの程度あるか
- 財産評価はどの程度理解しているか
- 現地調査の経験はあるか
- 法人の申告業務はほとんどできないが大丈夫か
- 年上の部下に指示できるか、年下の上司からの指示をきちんと聞けるか
- 税理士試験は続ける予定か
Big4税理士法人
- 今までで1番大変だった仕事は何か、それをどう乗り越えたか
- 正解のない質問に対してどのように結論を出してきたか
- 癖のあるクライアントへの対応方法
- 上司に疑問点を相談するときのやり方
- 大きなミスをしたことがあるか、どのように対処したか
- 長所と短所(短所をどう克服しているか)
- 休みの日の過ごし方
- パートナーになりたいか
- 繫忙期は36協定ギリギリまで働くが大丈夫か
- 組織再編の経験はあるか
- 英語案件は対応できるか
- エクセル、パワーポイントは使えるか
逆質問について
面接の最後には応募者が質問する「逆質問」の時間があります。
何も聞かないと「興味がない」と思われ、評価が下がるので必ず準備しておきましょう。
私は下記の質問をメモにして持ち込み、状況に応じて聞いていました。
※印象の悪い質問(例:残業しないで帰れますか?)は避けるようにしましょう。
- 入社後、任せてもらえる仕事の内容
- 未経験者も採用しているか
- 教育制度やOJTの進め方について
- 周りに相談できる環境はあるか
- 残業や休日出勤の発生状況は、繫忙期と通常期でどの程度差があるか
- 「この会社ならでは」と感じる文化や風土はあるか
- 使用している会計ソフト・申告ソフトは何か
- ワード、エクセル、パワーポイントはどの程度使うか
- 今後1~3年の事業方針があれば教えてほしい
- 数年前と比べた組織の変化
- 一緒に働く人の年齢層や男女比
- 科目合格者の在籍状況
科目数と合格科目について
人手不足が深刻なため、昔に比べて応募条件はかなり緩くなっています。
ゼロ科目でも「税理士受験生」というだけで採用してもらえる事務所も少なくありません。
そのため、合格していない場合でも受験経験者であることは必ずアピールしてください。
また、学歴はほとんど関係ありません。
採用の目安
✅業界経験者
・資格:ゼロ科目でも可(1科目以上あれば有利)
・年齢:40代まで
✅業界未経験者
・資格:1科目以上の科目合格
・年齢:30代半ばまで
✅パート
・資格:簿記3級以上
・年齢:不問
※会計事務所または経理の経験があると即採用
優遇されやすい科目
- 個人事務所~中規模税理士法人:所得税、法人税、消費税
- 資産税専門の税理士法人:相続税、所得税、固定資産税
- Big4税理士法人:法人税、消費税、事業税
税法科目に合格していれば高評価となりますので、科目の種類についてはこだわる必要はありません。
むしろ、合格科目よりも実務経験の方が重視される傾向にあります。
転職時期
税理士業界全体で見ると、
- 12月~6月:繫忙期
- 7月~11月:閑散期
というサイクルがあります。
転職活動が特に活発になるのは、
- 8月中旬~9月:税理士試験後
- 12月上旬~年明け:試験結果の発表後
この2つの時期です。
実際に、多くの税理士法人が会社説明会や採用活動を集中させるのもこのタイミングです。
入社時期の目安
- 繫忙期を避けた7月~11月が望ましい
- 相続専門の事務所であれば、決まった繫忙期はないので1年中入社可
- 内定から2~3か月後の入社が一般的
- 半年以上先の入社でも受け入れてくれる事務所もあるので、詳細はエージェントと相談
求人自体は1年を通して出ているため、転職を検討している場合は、まずは情報収集から始めてください。
まとめ
税理士は、まずはゼネラリストとして幅広い経験を積むことが大切です。
最初からスペシャリストを目指すよりも、ある程度多様な業務に触れておくことで、将来的に潰しが効き、市場価値を高めることができます。
そのため、税理士業界では数年ごとに転職を重ねる方も多く、経験を広げながらキャリアアップや独立につなげていく流れが一般的です。
私自身も、2〜3年ごとに転職をしてきました。
必ずしもキャリアアップが要因ではありませんでしたが、今振り返ってみても「転職してよかった」と思える選択ばかりです。
税理士業界では転職が非常に一般的なので、転職回数が多くてもマイナス評価になることはあまりありません。
税理士受験生・科目合格者の転職は、やり方次第でチャンスが大きく変わります。
自分に合った求人を効率よく探すなら、まずは転職エージェントへの登録が近道です。
無料相談から始められるので、気軽に一歩踏み出してみてください。