税理士試験受験記録⑧ 3回目(所得税法)

税理士試験

平成29年(第67回)税理士試験の合格発表から、平成30年(第68回)税理士試験までの記録です。

平成30年(2018年)1月:事務所閉鎖の知らせ

年末年始は、少し遅れていた講義の視聴と計算問題集の復習に充てていました。
理論も「毎日少しずつ」を続けて、15題ほど暗記。……とはいえ、すぐ抜けます。抜ける前提で、何度も戻るしかない。

そんな年明け。いつも通り出勤すると、所長から突然言われました。

「今年いっぱいで事務所をたたみます」

急なことでビックリしましたが、どうやら他の正社員はすでに知っていたようです。
所長が60歳を迎えるので、引退を考えているとのこと。

心の中では「自分の事務所なんだし、好きにしたらいい」と思いつつ、目の前の仕事に戻った――のですが、少し経ってから気づきます。

...あ、転職しないといけないのか

受験と同時進行で、タスクが一つ増えました。

平成30年(2018年)2月:実務につながる

確定申告が始まり、仕事は一気に忙しくなります。
でもここで、所得税を勉強していた意味がはっきり形になります。

去年は「何をやっているのか分からないまま」作業していたのに、今年は違う。
申告書の数字が、どこから来て、どこへ行くのかが見える。
普段、答案用紙に書いている数字は、申告書ではこういう姿になるのか――と。

働きながら勉強するメリット実感した瞬間でした
(さすがに山林所得の申告に遭遇することはありませんでしたが。)

勉強は2周目へ。難しい計算問題に入っていくと、所得税の“細かさ”が牙をむきます。

利子所得・配当所得に申告分離課税が登場し、一気に景色が混沌としてきます。
譲渡所得の特例も容赦なく増える。適用要件だけじゃなく、「併用できる/できない」の組み合わせまで頭に入れないといけない。

理論は、Aランクを20題ほど暗記。
ただ、覚えた気になっても、油断するとすぐ抜ける。結局ここも、反復がすべてでした。

平成30年(2018年)4月:ゼロ科目で転職は可能なのか?

確定申告が終わり、仕事が一段落。
私以外の正社員は転職活動を始めています。

税理士資格があれば、よほど大きい事務所(税理士法人)でなければ働き口は見つかる――という話も聞きました。

顧客は所長の知り合いの税理士へ引き継がれるらしく、大きな混乱はなさそう。

1科目でも持っていれば転職は難しくないのだろうな…と、昨年財表を受けておかなかったことを後悔しました。

勉強は、平均課税や非居住者など、試験にはあまり出ない論点を学習し、いよいよ来月から直前期に入ります。
ゴールデンウイークで総復習しないと。 

平成30年(2018年)5月:直前期

直前期に入ると、改正論点とさらに細かい知識が一気に入ってきます。
計算は、遅れ気味ながらも講義のカリキュラムをなんとか消化できていました。手応えも、少しずつ。

ただ、やっぱりネックは理論です。

残り100日で、どれだけ“書ける形”にできるか。
点の取り方が計算と違う以上、理論の詰めが甘いと最後に全部崩れる。
そう分かっているのに、量が多すぎて、気持ちが追いつかない日もありました。

平成30年(2018年)6月:答練が多すぎる

模試と答練が、襲ってきます。

実力判定公開模擬試験、直前対策模擬試験――その復習だけで手一杯。
さらにプレ模擬、直前予想模擬も控えていて、「消化不良になる未来」が見えるのに、止められない。全国公開模擬試験も受けないといけない。

こんなにやらないと、受からないのか

裏返せば、みんなそこまで積み上げる世界だということでもあります。

所得税(税法)に合格するための“水準”が、とてつもなく高いことが分かります。

平成30年(2018年)7月:ラストスパート

答練を解き直す回数がやや足りないかもしれませんが、計算問題はある程度自信がついてきました。
もっとも、平均課税・事業承継・非居住者・社保診療報酬の特例が出たら、厳しいですが…。

理論は35題ほどを暗記しました。これでも頑張った方だと思います。
辛い1か月を乗り切って、最後まで踏ん張ってみます。

平成30年(2018年)8月8日:第68回税理士試験

15時開始の試験のため、お昼前に起床しました。
電車の遅れも特になさそうなので、ゆっくりと試験会場に向かいます。

所得税の受験生も、相続税ほどではないですが、かなり年齢層が高い印象です。
15分前になったところで、試験監督からの説明が始まりました。

所得税法

開始の合図で試験問題をめくります。
理論は、どちらも暗記した理論だったので、すぐに書き始めます。

理論問1
青色申告制度について
→ベタ書きするだけなので、問題なさそうです。

理論問2
損益通算制度について
→概要はベタ書き。計算順序は理論サブノートになかったので、計算の知識を使って作文します。

計算問1
事業所得を中心とした問題。
「会社を辞めて事業を始めた」という前提なので、月数按分に注意。
棚卸資産と退職所得が少し面倒。
所得拡大促進税制は計算式を忘れてしまい、解答できず。

計算問2
不動産と譲渡、配当中心の問題。
時間ギリギリで「取得費加算」よりも「空き家3,000万控除」が有利と気づき、慌てて修正する。

分からないところは多々ある。
でも、崩壊はしていない。
「ある程度はできた気がする」――そんな、いつもの“ボーダー帯”の感覚で会場を出ました

あとがき

所得税法は、量が多いだけじゃなく、とにかく細かい。
知識が“地図”になる前に情報がなだれ込んできます。

それでも、実務とリンクしたときの手応えは確かにありました。
申告書が“読める”ようになっていく感覚は、勉強を続ける理由にもなります。

結果はまだ先。
でもこの一年で、「働きながら受かる人」が特別な才能を持っているわけじゃなく、生活と勉強の設計を何度も修正しながら続けている、という現実が見えました

次回は、自己採点と合格発表――そして点数が突きつける現実へと続きます。

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